

うーーーーーん…

さっきから頭を抱えてどうしたんじゃ?

めちゃくちゃ今更なんだけど…

なんじゃなんじゃ?

暗号資産と仮想通貨って何が違うの?暗号資産の方がマイナーなの?

(えぇ…もう、それ飽きた…)一緒。

え?

暗号資産も仮想通貨も一緒。ただ名称が変更されただけ。
皆さんは気になる暗号資産がある場合、どのように情報を集めますか?
多くの人が「通貨名 仮想通貨」と検索すると思います。
黎明期は仮想通貨と呼ばれていた暗号資産ですが、名称変更にはどのような経緯があったのでしょうか?
本記事では前編と後編に分けて名称変更の経緯、また変化したことについて解説します。
この記事は前編です。
前編では名称変更の経緯について解説します。
後編では名称変更に伴い変化したことについて解説しています。
仮想通貨という名称について

前提として仮想通貨と暗号資産は名称が異なるだけで同一のものです。
暗号資産や仮想通貨は簡単に言うと、インターネット上で使える資産、通貨を意味します。
ここではまず、仮想通貨という名称誕生の理由について紹介しておきます。
暗号資産についてご存じない方は先にこちらをチェックしてみてください♪
【英語ではcrypto asset(クリプトアセット)】
英語では「クリプトアセット」として名称が固定されています。
crypto(クリプト)=暗号
asset(アセット)=資産
直訳すると暗号資産となるのですが、実は海外でも定義される以前はこのクリプトアセットもしくはcrypto currency(クリプトカレンシー)と呼ばれていました。
currency(カレンシー)は直訳すると通貨であり、”暗号通貨”という意味になります。
暗号資産は、資産なのか通貨なのかという定義がまだなされていないこともあり、外国でもクリプトアセット、またはクリプトカレンシーと呼ばれていました。
【仮想通貨という名称】
英語名称では暗号資産、または暗号通貨という意味の単語が使用されていますが、日本で最初に使用されていたのは仮想通貨という名称でした。
直訳した際に仮想、という意味がないにも関わらずなぜこのような名称が使用されたのでしょうか。
それはFATF(ファトフ)という金融活動作業部会という政府間会合が理由であると言われています。
FATFとはマネーロンダリング、テロ資金への対策を目的としている会合ですが、この会合の法令では「virtual currency(バーチャルカレンシー)」という単語が使用されており、翻訳したことで仮想通貨という名称が使用されるようになったというのが一般的です。

へー!なんかさ、気になった暗号資産と名称で検索しても情報ヒットしなくて…

あー、過去の記事は名称と仮想通貨で検索せんと中々ないじゃろう

でも新しいのでも仮想通貨って名称使われてるじゃん

そりゃ皆仮想通貨って単語使うからじゃろ?

なんで途中で名称変更なんてしちゃったのさ!

それには大人の事情というものがあるんじゃ…
名称変更について

ここからは名称が変更されることになった経緯、また理由について解説していきます。
【名称変更の経緯】
冒頭でお話した通り、日本だけでなく海外でも名称は統一がされていませんでしたが、
あることをきっかけに名称が定義されることになりました。
2018年にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催された国際会議、G20サミット(金融・世界経済に関する首脳会議)での出来事です。
この国際会議中に共同声明にて、
「仮想通貨(暗号通貨)は通貨としての特徴を欠く」
と厳しく言及されることなり、国際会議で初めて暗号資産の定義と名称の固定が提案されたとされています。
日本での名称統一は、単純に「国際会議で定義づけられたから」という理由とされています。
仮想通貨の名称を「暗号資産」に変更した理由について金融庁は下記の通りコメントしています。
「仮想通貨については、最近の国際的な場において使用される表現や、法定通貨と勘違いされやすい指摘を踏まえ、この度の改正において法令上の呼称を暗号資産に変更しています。」
つまり、仮想通貨をドルや円のような法定通貨(法律で定められた通貨)と明確に区分するために、暗号資産という呼び名が使われるようになったということです。
【名称変更された理由】
名称変更について、ここからはより詳しく紹介します。
現状、暗号資産は非中央集権的な特徴の通り、管理者がいない為明確な定義が存在していません。
しかし、「仮想通貨」から「暗号資産」へと呼び名が変更される事となったのには、主に下記の6つの理由が考えられます。
①世界では「仮想通貨」とは呼ばれていなかった
先ほど紹介した通り、そもそも海外での名称は”仮想”という単語が使用されていません。
さらに、仮想=virtualというと電子マネーや買い物の際についてくるポイント等を含んでしまいます。
日本では普及した呼び名が仮想通貨だったため、業界がそれに合わせるという状況が続いていただけと指摘する人も少なくありません。
②通貨としての役割を果たせていないと判断された
一般的に通貨は「支払い決済手段」「価値の尺度」「価値保存」3つの機能が定義づけられています。
しかし、仮想通貨や暗号通貨は、この機能が欠けているという指摘がされています。
例えば、支払決済手段の面では、ビットコインが決済手段として普及しつつあるものの、利用できる場所はまだまだ限定的なため、不十分だと言えます。
このように、通貨としての役割を十分に果たしていない状態で「通貨」という扱いをすべきではないという指摘から、名称変更に至ったという考えができます。
③資産としての特徴のほうが強い
先述した「決済手段として頻繁に交換されるもの」を通貨、「保有することに意味があるもの」が資産と定義した場合、仮想通貨は資産としての役割が強いという意見です。
新たなシステムが開発されることにより、仮想通貨は様々な情報が含まれるようになってきました。
NFT等が最たるものとして挙げられますが、仮想通貨そのものを交換ではなく価値や権利のやりとりに当たるため、より特性を適切に表現できる「資産」に変更したと謂われています。
NFTについてはこちらをチェックしてみてください♪
④犯罪組織などの収益となる可能性があるのではという不安
「通貨」という名称を使用することにより、「マネーロンダリング等による犯罪の温床となる可能性があるのでは?」という不安の声が上がったという理由も考えられます。
事実、過去にはビットコインが違法な麻薬転売サイトでの闇取引に盛んに利用さていたことがありました。
この様な犯罪に仮想通貨が多く利用されてしまったことにより、仮想通貨が世界規模で「既存の法定通貨のような通貨の役割にはなれない」という見方が強まり、資産という表現になったのではないかと考えられます。
⑤仮想通貨というワードにマイナスなイメージがあった
仮想とは実態がない、架空という意味を有しているため、必ずしも好意的なイメージはありません。
過去の事件や詐欺などにより、「実態がないので危険なのでは?」と言ったマイナスなイメージを抱く人も少なくなかったのです。
そのため、仮想通貨に関わる人たちの中には、こうしたマイナスなイメージを払拭するためにも暗号資産という新しい呼び方に変えることを受け入れた人もいたと考えられます。
こうした要望も、仮想通貨から暗号資産に呼称が変わることへの後押ししたという見方もできます。
⑥仮想通貨という表現で誤解を生む可能性がある
日本でも仮想通貨の通貨と言った表現が利用者にとって、「円やドルなどの法定通貨と混合してしまうのではないか?」と考えられるようになりました。
現在の資金決済では、暗号資産交換業者に法定通貨と暗号資産との違いについての説明義務を割り当てているものの、仮想通貨という表現そのものが誤解を生みやすいと判断されたため、改称されたとも言えます。

どうじゃ?変わった理由については諸説あるが、ざっとこんな感じかのう

なんとなく察しはついたけどさ、名称変わってもあんまり意味ないような気がしない?

まあ、ワシもうっかり仮想通貨っていう名称を使ったりするが…ちゃんと変わったこともあるんじゃよ

え、なにが変わったの?考え方とか?

(考え方…?急に哲学!)対策や規制等が追加されたとされておる

それ知っとかないとまずいやつ!早く教えて!

まてまて、今日はここまで!今日の内容をしっかり読んで復習しておくこと!
【前編】大人の事情?規制に抗え!「仮想通貨」から「暗号資産」への名称変更、まとめ
・2020年5月1日に仮想通貨の呼び方を暗号資産へと変更することを正式に施行した
仮想通貨から暗号資産へ呼称が変更された理由は、
・世界では「仮想通貨」とは呼ばれていなかった
・通貨としての役割を果たせていないと判断された
・資産としての特徴のほうが強い
・犯罪組織などの収益となる可能性があるのではという不安
・仮想通貨というワードにマイナスなイメージがあった
・仮想通貨という表現で誤解を生む可能性がある
などの理由があった。
いかがでしたでしょか?
前編である本記事では「仮想通貨」の名称が「暗号資産」へ変更された経緯について詳しく解説しました。
名称変更とだけ聞くと大したことの内容な問題に感じますが、その実世界中から注目されているということでもあります。
後編では名称変更に伴い変化したことについて解説します。
併せてチェックしてみてください♪