

教育の根は苦いが、その果実は甘い。

は?

アリストテレスが残した名言だよ~!勉強は大変だけど、成果は美味しいよね!

…あ、はい、そうですね

Taprootって根っこって意味があるんだよ!というか距離感すごいから敬語辞めて!元に戻って、お願い!

何のことかと思ったら根っこ繋がりか…

それではビットコインのアップデートTaprootについて!

はいはい、紹介していくぞい♪
2021年11月頃に予定されているビットコインの大型アップデート「Taproot」ですが、どれほどの期待を抱かれているのでしょうか?
前編ではビットコインの抱えている課題と共に、過去に実施されたアップデートついて解説しましたが、こちらの後編記事では大型アップデートTaprootについて解説します。
この記事は後編です。
前編がまだの方は是非併せてチェックしてみてください♪
アップデート内容

冒頭でも説明した通り、「Taproot」とは、2021年11月頃に予定されているビットコインのアップデート名称です。
Schnorr署名とMASTという技術を組み込むことにより、スケーラビリティとプライバシーの向上を目的としています。
ここでは目玉ともいえるSchnorrシステムとMASTで可能になることをメインに解説します。
【Schnorr(シュノア)署名】
schnorr署名とは、C.P.Schnorr氏によって1989年頃に発明された特殊な方法を取るデジタル署名技術のことを指します。
2021年6月現在、アップデート前のビットコインではECDSAという署名技術を搭載しています。

例えば、A~DさんがEさんにメッセージを伝えたいとします。
ECDSAのようなシステムの場合はそれぞれが手紙で、Schnorr署名のようなシステムの場合は寄せ書きにして一度に連絡が可能です。
例えのように一括でのメッセージ、つまりSchnorr署名を導入することで一括での署名を可能とします。
Schonorr署名により改善するとされている内容は下記の通りです。
・必要な署名データの縮小
一括で署名をするため、必要なデータを最小限に抑えることができます。
中にはブロックデータを40%削減できるという開発者もいるほどです。
・マルチシグによるセキュリティ向上
署名が結合されることで誰が署名に参加しているかも解読が困難になり、プライバシーが向上されることに繋がります。
簡単に説明する場合、
複数の署名を一つの署名でまとめデータ量を軽く、連結された署名は解読が困難になり、セキュリティやプライバシーの向上に繋がるということです。
【MAST(Merkelized Abstract Syntax Tree=マークル化抽象構文木)】
現在のビットコインのスクリプトは、scriptPubKeyと呼ばれる欄に送信者が直接記述する方式となっています。
前編でも述べた通りスクリプト機能はあまり認知されていません。
しかし、有識者であっても頻繁に使用することを避ける理由が存在します。
その理由とは、サイズ制限がある点、スクリプトの内容がすべて全世界に公開されてしまう点が挙げられます。
今回のTaprootで導入されるMASTでは、スクリプトの条件処理の部分ごとに分割し、それぞれをマークルツリーとして統合しようとするものです。
※マークルツリーとは、各データをツリー構造にハッシュ化して短くまとめたもの
これではよくわからないので、こちらも例を出して説明します。
スクリプト機能でもMASTでも、
「AさんがBさんに送った10BTCをBさんが1ヶ月受け取らない場合、CさんとDさんが5BTCずつ受け取る」等複雑な取引条件を設定することが可能です。
しかし、この条件が複雑になればなるほどトランザクションデータのサイズは大きくなります。
結果、ブロックサイズを圧迫し、トランザクション詰まりや取引手数料の高騰などスケーラビリティ問題を引き起こすことになります。

MASTでは、条件分岐のスクリプトをマークルツリー構造に割り当て、実行しない条件をハッシュのままにすることでトランザクションのサイズを小さくすることができます。
例でいえば、「AさんがBさんに10BTC送金した」、1か月以内に受け取ったため、受け取らなかった時の条件がハッシュのままであり、データが重たくなりにくいということです。
また、MASTは条件に関連する人物のみに内容が公開される仕組みなので、実行されなかった条件は閲覧できずプライバシー保護にも繋がります。
例でいえば、「AさんがBさんに送った10BTCをBさんが1ヶ月受け取らない場合、CさんとDさんが5BTCずつ受け取る」のスクリプトはハッシュ化されており、第三者には一切見ることができないということです。
【補足情報】
Taprootの内容を紹介したところで、3つの補足情報をお伝えします。
①大型アップデートは確定した
②新しい技術の導入にはSegwitが不可欠だった
③現時点で国家レベルの攻撃に対応?
少し詳しく紹介します。
①大型アップデートは確定した
今回話題となっているTaprootは、2021年5月1日より約三か月間の「Speedy Trial」(実装テスト)が実施されていました。
実装テスト期間中、ある特殊な方法で投票を募り、90%以上の支持があれば実行するという仕組みです。
Taprootの導入具合を統計する「Taproot activation」のデータによると、実装テスト1か月と経たずに大手マイニング業者の90%以上がTaproot支持を表明したことが分かっています。
これにより今回の大型アップデート「Taproot」が実装されることが確定したのです。
②新しい技術の導入にはSegwitが不可欠だった
従来のビットコインでシュノア署名を入れようとすると構造上ハードフォークをする必要があり、これはコミュニティ分裂などのリスクが高いため、できるだけ避ける必要がありました。
これを解決したのが前編で紹介したSegwit(セグウィット)です。
Segwitにより、ソフトフォークでアップデートできるようになったため、シュノア署名の実装が進められています。
MASTについても同様、Segwit(セグウィット)によって今までより容易に導入することがでるのです。
③現時点で国家レベルの攻撃に対応?
2020年6月3日ビットコインの基盤となっている「ビットコインコア」の最新バージョン
がリリースされました。
このバージョンアップでは、ネットワークを破壊する程の大規模攻撃「Erebus」に対し「Asmap」が導入されています。
Erebusとは、P2Pでも防ぎきれない攻撃を指し、
ASmapとは自律神経システムであるASに対し、更にマッピングを施すことでP2Pを保護する技術であると言われています。
このAsmapは実験的に導入されたものの、想定通りErebusを防ぐことが可能ならば、国家レベルのハッキング攻撃からビットコインを守れるということです。
※あくまで実験的な導入のため、今後修正パッチ等で削除や変更する可能性があるそうです

おや?今回は本当に大規模なアップデートみたいだね!

そうじゃな、承認もされているからビットコインキャッシュが生まれたような分裂もしなさそうじゃ

90%以上が承認って、やっぱりそれだけ期待されてるってことだもんね!

そうじゃ、以前より抱えていた課題をだいぶ改善されると期待が寄せられておるからのう!

…。課題って何だっけ…?

えっ…前編であれだけ説明したのに…?

…それでは抱えていた課題をどれほど解決したのか見てみよう!

仕方ないのう…
Taprootが解消する課題

最後に、前編でお伝えしたビットコインの抱えている課題が、Taprootによってどれほど解消されるのか見ていきましょう。
・スケーラビリティ問題
Schnorr署名でトランザクション数が減少、さらにMASTによりデータ容量が軽減されるため、送金詰まりや手数料高騰等の問題解消が期待できる
・マイニングによる消費電力
データが軽くなることにより、承認作業の負担が改善できる見込みがある
※同時に取引量が増える場合はこの限りではない
・スクリプト機能
MAST導入で、より複雑な条件設定を可能とする
・プライバシー
Schnorr署名で統合された承認データであること、MASTは関連する人物にのみ閲覧可能であるためプライバシーが守られる
このように、ビットコインが抱えている問題の多くをTaprootは解消されると期待されています。
特に導入がされる11月から数週間前より価格の変動が起こる可能性が有るため、今後も動向を確認しておいて損はありません。

こうやって抱えてた課題と並べると…

より期待されていることに納得がいくじゃろう?

うん!今からビットコインをガチ保!

…アップデート直前は値動きが激しいから焼かれないように計画は建てておくんじゃよ

なんで値動き激しいの?

それはまた機会があったら教えてやろう…、ささ、今日のまとめに入るぞい~
【後編】満を持して?!ビットコインの歴史?アップデート内容Taprootについて、一挙解説、まとめ
Taprootとは、
・2021年11月頃に実装されるビットコインの大型アップデートの名称
・Schnorr署名とMASKの技術を導入する
Taprootが解消する課題
・スケーラビリティ問題
・マイニングによる消費電力(可能性がある)
・スクリプト機能
・プライバシー
いかがでしたでしょうか?
後編である本記事ではTaprootの内容を詳しく解説しました。
このアップデートにより、多くの課題が解消されると大きな期待を寄せられています。
特に大型アップデートを迎える暗号資産は値動きが激しくなる傾向があるので、クリプト調査局では今後も新しい内容を配信していきます。
本記事を読んで、今後のトレードの参考の一つになれば幸いです。