

うーーーん(チラッ)

…(なんかこっち見ておるの…)

うーーーーーーーーーーーーん…(チラッ)

何か聞きたいことがあるみたいじゃな…

…あの…エリオット波動ってなんなの?!

いつも本当に唐突じゃなwエリオット波動にはチャート分析の基礎となる要素が詰まっておるんじゃよ

つまり…?

エリオット波動を押さえておくことができれば、テクニカル分析をスムーズに習得できるということじゃ!

え!!すごいじゃん!もっと詳しく教えて!

じゃあ、今日はエリオット波動について特徴や使い方など詳しく話していこうかのう!
FX取引で使われる理論の1つに「エリオット波動理論」というものがあります。
これは、テクニカル分析の理論で、最初は株式投資で使われていたものがFXでも使われるようになったのです。
エリオット波動という言葉を聞いたことはあってもイマイチ分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、そんなエリオット波動について詳しく解説していきたいと思います。
エリオット波動の基本情報

まず最初に、エリオット波動を使う上で理解しておくべき基本情報について詳しくお話していきます。
エリオット波動とは、エリオット波動原理、あるいはエリオット波動理論を省略した名称であり、1920~1930年代にアメリカ人のラルフ・ネルソン・エリオットが考案したチャート分析の手法です。
相場にはパターンがあり、一定のサイクルを繰り返しながら動いているという理論によって確立されました。
現在では、多くのトレーダーが相場の方向性を予想する際に利用しています。
エリオット波動は、相場の5つの上昇波と3つの下降波で1つの周期を形成するという考え方です。

上記の画像のように上と下を交互に繰り返すという特徴があり、5つの上昇波を推進5波と呼び、3つの下降波を修正3波と呼びます。
上昇5波が終了した後、今度は逆方向に3波の下降波を発動すると言われています。
5つの上昇波と3つの下降波はそれぞれ下記のような異なる特徴を持っています。
・上昇1波:じわじわとした動きで徐々に方向性が明らかとなる
・上昇2波:上昇1波と反対方向に大半を打ち消すような、かなり強い動きをする。売買高が低下することで収束する
・上昇3波:最も強く長い動きで、5つの波のうち最大値の動きとなることが多い
・上昇4波:乱高下が続く複雑な動きで高値持ち合いに近い
・上昇5波:かなりのスピードと勢いを持った動きになり、バブル的な急騰となる場合が多い
・下降1波:押し目と間違われやすいため、投資家の買い意欲が強くなり下降2波の上昇を誘う
・下降2波:下降1波による下落に対する一般的な戻り(小反発)
・下降3波:完全な株価の調整局面で上昇サイクルが完全に終わったことを意味する
このように、それぞれの波動には特徴があるので、これらを知ったうえでチャートを確認すると参考になるかと思います。

また、上記のように相場がN字に動くというのもエリオット波動の特徴です。
エリオット波動理論でテクニカル分析を行う際は、相場が斜めのN字に動いていることも意識しておきましょう。
相場の形の大きさに関係なく、必ずN字で動いています。
【エリオット波動の基本原則】
エリオット波動には、下記のような三原則が存在します。
・原則その1:上昇波において3波が1波、3波、5波の中で最も短くなることはない
・原則その2:上昇波において2波は1波のスタート地点を下回ることはない
・原則その3:上昇波において4波が1波の高値を割ることはない
それぞれの原則について、もう少し詳しく見ていきましょう。
・原則その1:上昇波において3波が1波、3波、5波の中で最も短くなることはない

上昇3波は、上昇1・3・5波の中で最も短くなることはありません。
もし、上昇3波が短い場合はエリオット波動の原則に当てはまらないので、別の解釈を探すようにしましょう。
逆に言うと、上昇3波は最も長くなるという特徴を持っています。
実際の取引の波を判断する際に、特に重要な情報なので覚えておきましょう。
・原則その2:上昇波において2波は1波のスタート地点を下回ることはない

上昇2波において、上昇1波のスタート地点を下回るような値動きが起こることはありません。
エリオット波動の始点を探す際は、まず上昇2波の戻しや押しが上昇1波のスタート地点を下回っていない部分を探すようにしましょう。
・原則その3:上昇波において4波が1波の高値を割ることはない

通常、上昇4波と上昇1波の価格帯は重なることはありません。
しかし、レバレッジの大きい取引の場合は現物取引よりも急激な価格の変動が起こる可能性があります。
そのため、日足や時間足など期間の短いチャートでは価格帯が重複してしまう場合もあるようです。
これは、あまり頻繁に起こることではありませんが、レバレッジを掛けられるFXの取引の場合は注意が必要です。

なるほど…ちょっと難しそう…

そうじゃな…FX初心者がいきなり使いこなすには見極めがちょっと難しいかもしれないのう

でも、もしエリオット波動を参考にチャート分析するときは、今教えてくれた三原則を注意してチャートを見るのは大切だなって思った!

うむ、三原則に沿ってない場合は違う見方をする必要があるからのう

このエリオット波動を使ったらどんなメリットがあるの?

そうじゃな!じゃあ、エリオット波動を利用するメリットを使う時の注意点と一緒に説明していこうかのう!
エリオット波動を利用するメリットと注意点

実際にエリオット波動を利用してチャート分析をするとどんなメリットがあるのか、使う際の注意点と共に見ていきましょう。
【エリオット波動を利用するメリット】
エリオット波動を利用してチャート分析を行うメリットとして考えられるのは下記の4点です。
①N字分析によってチャートが理解できる
基本情報でもお話ししたように、エリオット波動の基本の形は、I字の波動とV字の波動が合体したN字型の波動になっています。
このN字の波動が比較的に大きければ、大きなトレンドになりやすいのです。
上場相場と下降相場のどちらかは、チャートを見ると大局をつかめると思います。
その他にも、よくあるチャートのパターンをしっかりと覚えておくことで、トレンドが転換する点を予測することが可能になります。
さらに、値幅の観測をすることで今後どのくらいの価格まで上昇するのか、または下落するのかも予測することができるため、注文を出す価格を決めるのに役立てることが出来ます。
②波動に基づいて値動きを予測するのに役立てることができる
N字型の波動が構成されている際に、N字型が大きいほどトレンドは大きくなりやすいと言われています。
①でお話ししたチャートの理解ができるようになることで、今後の値動きをある程度予測する際にも役立てることができるのです。
③利益確保や損切りのタイミングの参考になる
値幅観測で長さや高さを計測することで、利益確定や損切りのタイミングの参考にすることができます。
他の指標と同様に絶対にあたるというものではありませんが、万が一当たらなかった場合でも、当たらなかったパターンを振り返ることで学ぶこともでき、次回にも生かせるでしょう。
④どの時間軸でも分析ができる
エリオット波動理論を利用したチャート分析はどの時間軸でも行うことができます。
【エリオット波動を利用する際の注意点】
エリオット波動を利用してチャート分析を行う際に注意すべき点は下記の3点があります。
①延長(エクステンション)が起こると波の数が変わる
エリオット波動では、上昇波の1つが大きく引き伸ばされてしまう延長(エクステンション)という現象が起きてしまうことがあります。
この状態になると、延長した上昇波の中でさらにエリオット波動が成立してしまうため、波の数が増えてしまいます。
そのため、この様な状態になると波の確認が難しくなってしまうので、予測も難しくなってしまうのです。
また、延長した中でもさらに延長してしまうという場合もあるので、そのような場合はさらに波の確認や予測が難しくなってしまいます。
②フェイリャーが起こると波動が壊れることがある
フェイリャーは、波失敗・未達成という意味を持つ言葉で、これが起きてしまうことで波動が壊れてしまいます。
上昇5波に見られる特有の動きで、本来ならば上昇3波の頂点を超えるはずの上昇5波の推進力が弱いため、上昇3波の頂点まで届くことなく下降波に転換してしまう現象となります。
フェイリャーの状態になってしまうとダブルトップの状態になってしまうので、本格的な下降トレンドになることが予測されます。
※ダブルトップ=上昇トレンドが終わる際に現れる、アルファベットの「M」のような形に見えるチャートパターンのこと
そのため、注意深く観察する必要があります。
③1つの波動がいつまで続くのか分からない
エリオット波動を利用するときは、波動の見極めが重要となってきます。
しかし、実際にリアルタイムのトレードでは1つの波がどこまで続くのか分からないので、予測を立てることが難しい状況にあります。
特に①でお話しした、延長が起こっている場合、波が続いているにも関わらず転換が起きたと思ってしまうことがあり、混乱してしまいます。
そのため、後からチャートを見てみると危険な部分を見つけることもできるのですが、リアルタイムでトレードを行っている場合は見極めが難しくなってしまい、油断して思わぬ失敗をしてしまう可能性もあるのです。

どうじゃ?チャート分析の時にエリオット波動を利用するメリットと注意点は分かったかの?

うん!完璧!ちゃんとチャートを見てエリオット波動理論に当てはまってたら、便利に使いこなせそう!

そこの見極めが大切じゃからな!ちゃんと三原則に当てはまっているかも見ておかないといけないのう!

そうだよね!さっそくチャートで探してみたくなった!見てくる!!

その前にしっかりまとめを読んで復習しておくんじゃよ!

あ!wちゃんとまとめまで見ておきます!w今日もありがとう!GG!
エリオット波動についてのまとめ
エリオット波動は、
・ラルフ・ネルソン・エリオットが考案したチャート分析の手法
・相場は5つの上昇波と3つの下降波で1つの周期を形成するという考え方
・5つの上昇波と3つの下降波はそれぞれ異なる特徴を持っている
・相場がN字に動くというのもエリオット波動の特徴
・三原則が存在する
・原則その1:上昇波において3波が1波、3波、5波の中で最も短くなることはない
・原則その2:上昇波において2波は1波のスタート地点を下回ることはない
・原則その3:上昇波において4波が1波の高値を割ることはない
エリオット波動を利用するメリットは、
・N字分析によってチャートが理解できる
・波動に基づいて値動きを予測するのに役立てることができる
・利益確保や損切りのタイミングの参考になる
・どの時間軸でも分析ができる
という点がある。
エリオット波動を利用する際の注意点は、
・延長(エクステンション)が起こると波の数が変わる
・フェイリャーが起こると波動が壊れることがある
・1つの波動がいつまで続くのか分からない
という点がある。
いかがだったでしょうか?
今回は、FX取引で使われる理論の1つ「エリオット波動理論」というものについてお話してきました。
これから、チャート分析を行う際に本日の内容を役立てていただけると幸いです。