

そういえばトアよ

ん?なーに?

ここまで色々教えてきたかと思うんじゃが、ウォレットについてはきちんとわかっておるんじゃろうな?

ウォレット?お財布のこと?

嘘…じゃろ…?まぁ、間違ってはおらんのじゃがのう

もったいぶらないで早く教えてよ!

……仕方がないのう…基本的なところではあるがかなり大事なことじゃからな…今日はウォレットについて話していくぞい!
ウォレットとは暗号資産を保管、管理するものですがその種類や特徴は多岐に渡ります。
また、目的や用途によって使用するウォレットも変わってきます。
本記事ではそんなウォレットについて解説していきます。
そもそも暗号資産のウォレットってなに?

以前当ブログでは、「取引所」と「販売所」の違いをご紹介しました。
よろしければこちらの記事もご覧ください♪
取引所と販売所では暗号資産を取引すると共に、もちろん保管をすることも可能です。
ただし、暗号資産自体が国や金融機関により管理されていないことが魅力を感じている方は、保有している通貨の保管する場所を分散させたいと思うことは自然だと思います。
まずはウォレットについて、またその種類について解説します。
【暗号資産におけるウォレット】
暗号資産におけるウォレットとは、文字通り「財布」とそのまま捉えても問題ありません。
ただし、取引所や販売所もこの財布としての役割を果たしていると言えます。
では実際に取引所や販売所とウォレットのそれぞれの機能を見比べてみましょう。
ウォレット | 取引所、販売所 | |
取引 | × | 〇 |
保管 | 〇 | 〇 |
送受信 | 〇 | 〇 |
表を見て分かる通り違いは「取引」が可能かどうかのみとなっていますが、それはウォレットが「保管」をする事が目的であるのが理由です。
保管することを目的としている為、取引所で必要だった諸々の操作や項目が省略されており、残高照会や送金が簡単という点についてはメリットともいえます。
さらに、ウォレットは非常に種類が豊富で、目的や用途に応じて使い分けることが可能です。
【ウォレットは大きく分けて2種類】
ウォレットは種類が豊富であると説明しましたが、まずは大きく分けて2種類に分類することが可能です。
それはインターネットに接続されているか、接続されていないかです。
①インターネットに接続されているウォレット
インターネットに接続できる環境にあるウォレットは「オンラインウォレット」または「ホットウォレット」と呼ばれています。
インターネットに接続されているということは、”ハッキングやウイルス感染のリスクと隣り合わせ”であるものの、”少額の保管や送金”には非常に便利です。
②インターネットに接続されていないウォレット
インターネットに接続していないウォレットは「オフラインウォレット」または「コールドウォレット」と呼ばれています。
インターネットに接続していないということは、”入出金の手順が不便”である反面、ハッキングや資産流出リスクが非常に低い為”安全性が高く”、高額な暗号資産の保管などに適しているといえます。

ウォレット、わかったかのう?

うん!暗号資産のお財布だね!

間違っておらんというのはそういう事じゃ

でもさ、どうして1種類じゃないの?ブランドみたいなもの?

ブランドではないことは確かじゃ、それだけ種類があるということは、それだけ求められる機能があったということじゃよ!

へー、ねえねえGG、私には何が似合うと思う?

(ブランドみたいにいうのう…)目的に合わせて使い分けるんじゃ、どんなウォレットが有るか紹介するから考えて選ぶんじゃぞ
ホットウォレット

インターネットに接続しているホットウォレットについては下記の3種類を紹介します。
①ウェブウォレット
②デスクトップウォレット
③モバイルウォレット
各ウォレットの機能やメリットデメリットを解説していきます。
【①ウェブウォレット】
インターネット上に暗号資産を保管するウォレットです。
取引所などで自動的に開設されるウォレットもウェブウォレットの扱いになります。
〇メリット
・IDやパスワードを設定することで簡単に利用ができる。
・ネットバンクのようにパソコンやスマートフォン、タブレットなどからもアクセスができるため使い勝手が良い。
〇デメリット
・インターネット上での資産管理になる為、セキュリティ面に懸念がある。
ホットウォレットで共通して言える懸念としても言える。
・サーバーメンテナンスやサーバーダウンなど利用が制限されるシーンがある。
【②デスクトップウォレット】
専用のソフトを自分のパソコンにダウンロードし、ローカルで使用します。
必要に応じて都度インターネットに接続するためホットウォレットに分類されます。
またデスクトップウォレットには「完全型」・「簡易型」の2種類があります。
「完全型」・・・ブロックチェーン情報をすべて取り込むウォレットです。全世界で行われるすべての取引を記録します。初期設定時の情報取り込みに1日以上かかることもあります。
「簡易型」・・・必要最低限のブロックチェーン情報しか取り込みません。そのため、パソコンにインストールしてすぐにすべての機能が使えるようになります。
〇メリット
・インストールするとすぐに使えるため、利便性が高いと言えます。
・取引所にあるウォレットを利用していた場合、万が一取引所が倒産、ハッキング被害にあった場合保有資産を失う事になるが、それを防げる。
・基本的にはオフラインであるため、セキュリティ面での安全性を担保できる。
〇デメリット
・複数の通貨を保有する場合、その通貨ごとにソフトをインストールする必要があるため、パソコン自体の容量を圧迫することになる。
・スマートフォンなどに比べ、持ち運びに不向き。
・常時オフラインの環境でない場合は自身でセキュリティ対策をする必要がある。
・パソコンが壊れた場合、バックアップがないと暗号資産を取り出せなくなる。
【③モバイルウォレット】
上記で紹介したデスクトップウォレットのモバイル版にあたるもので、
専用のアプリケーションをスマートフォンやタブレットにダウンロードして使用します。
提供されているウォレットによってはパソコンやその他端末の両方から使用できるものもあります。
〇メリット
・場所を選ばず利用ができる
・秘密鍵をサーバーに保管していないため、機密性が少なからず担保されている。
・暗号資産を支払いに使えるお店が増えてきている為、決済手段としての利便性が高い。
〇デメリット
・インターネットにアクセスする機会が多々あるためセキュリティ面での懸念がある。
・アルトコインに対応しているモバイルウォレットは少ない。
・デスクトップウォレットと同じく故障時の為のバックアップを取っておく必要がある。

というのがホットウォレットじゃな

なるほどね!

便利な分セキュリティ対策は必須じゃからその辺をきちんとすることが大事なんじゃよ

でもどれだけ気を付けていても、ハッキングなんかの被害にあうこともあるもんね…

そうじゃよ、次はホットウォレットの対極であるコールドウォレットの話をしていくぞい!
コールドウォレット

インターネットに接続していないコールドウォレットについては下記の2種類を紹介します。
①ペーパーウォレット
②ハードウェアウォレット
各ウォレットの機能やメリットデメリットを解説していきます。
【①ペーパーウォレット】
ペーパーウォレットはオンライン上に秘密鍵を保管する方法ではなく、
紙面に書き留める方法になります。
この方法によってハッキング被害やデータの喪失からシャットアウトすることができます。
〇メリット
・インターネットから完全にシャットアウトしているためセキュリティ面での懸念がほとんどない。
・上記の理由から大量の暗号資産を長期的に保有することに向いている。
・ハードウェアウォレットに比べ、安価である。
〇デメリット
・火事や天災による物理的被害で喪失する懸念がある。
・紙面での保管のため、摩耗やその他要因により印字が薄くなり秘密鍵を読み込めなくなる可能性がある。
・ネット上のセキュリティの懸念はないが、現実世界でのセキュリティ対策が必要になる。
【②ハードウェアウォレット】
ハードウェアウォレットはウイルスやハッキングの懸念があるネットワークから切り離し物理的なデバイスに保管する方法になります。
〇メリット
・アプリケーションさえ準備があればどのパソコンからでも操作ができる。
・パソコンに比べ持ち運びが楽なため手軽に持ち運べる。
・必要なタイミングでのみ操作をするため、ハッキング被害に会う可能性が低い。
〇デメリット
・デバイスが何らかの理由で破損した場合、復元にはリカバリーキーが必要になるため、記憶ないし保管しておく必要がある。
・ペーパーウォレットと同じく現実世界でのセキュリティ対策は必要になる。
・おおよそ¥10,000~費用がかかる。

これらがコールドウォレットじゃ

セキュリティは安心だね!

ただし、物理的な対策は必要になるということじゃな!

でも結局どのウォレットを使うのが正解なんだろ…?

その時の状況によって必要な対策は変わってくるからのう…ただ一般的にはコールドウォレットの安全性が多く謳われているのう…

あくまで一例じゃがコインチェックの流出事件がというのがあってだな…
コインチェック流出事件

一時期話題になったコインチェックの流出事件について解説します。
かなり話題になっていたのでまだ記憶に新しい事件だと思いますが、この事件はどういうところで起きたのでしょうか。
事件発生からの原因、対策の流れを解説していきます。
2018年1月26日 00:02:13から08:26:13にかけて、コインチェックが保持している暗号資産のうちNEM(ネム)(通貨記号はXEM)建ての顧客資産がクラッキングにより取引所から外部に送金されさらに別口座に移転されてほぼ100%流出してしまう事態が発生した。
参照元
当時の被害総額は日本円にして約580億円にも上るといわれています。
また事件の原因としてこのような発表がありました。
「新しいネットワークでは入口で侵入を防ぎまた外部への通信を防ぐ。常時監視体制を整える。新しいサーバを1カ月かけて再構築した。新端末に新経路を作ってセキュリティを強化。社内のネット接続状況を外部に委託して常時監視。暗号資産のセキュリティではすべてコールドウォレットにした。(コールドウォレットは署名をするときもオンラインにする必要がない形を暗号資産全部についてしたいと思っているが未決定。)」
参照元
当時NEMで管理していた口座はホットウォレットで管理されていたようで、そこを狙われこの事件に至ったようです。
この後からコインチェックでは管理体制をコールドウォレットを利用する方法に切り替えたようです。
この事件の紹介で取引所に自分の暗号資産を預ける事に不安を感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、前述の通りコインチェックでは管理体制をコールドウォレットを利用する方法に切り替えた事もありますし、その他でもGMOコインやbitFlyerでは大手損害保険会社である三井住友海上火災保険と連携しています。
そういったところで大手取引所でも資産管理に対する危機意識が日々向上しているところが伺えます。

すごい事件だったんだね…

誰がいつ被害に合うかなんてわからないからのう…

じゃあやっぱりコールドウォレット一択だね!

それはちょっと極端かもしれんが…さっきもいった通りホットウォレットにもコールドウォレットにも利点はあるんじゃ…

結局どれを使えばいいかわからなくなってきちゃったよ…

自分自身にあったセキュリティ対策をすべきなんだぞい!その時その時で状況は違うからの!
いまさら聞けない?ウォレットの解説、まとめ
【ホットウォレット】
・ウォレットが常時インターネットに繋がっている状態
・それ故いつでも送金(電子署名)ができて便利な反面ハッキングがされやすくセキュリティ面での懸念が大きい
→日々取引をする方の資産管理向け
【コールドウォレット】
・インターネットから遮断されているオフラインで管理をしている
・管理や送金(電子署名)に手間はかかるがセキュリティ面での安心が大きい
→すぐに使用しない資産の管理向け
コインチェックの流出事件を鑑みてセキュリティに対する意識や知識がいかに大事かをお判りいただけたかと思います。
コインチェックもその後は管理をコールドウォレットに切り替えるなど、さらにセキュリティに重きを置いている事がわかりますが、コインチェックの場合マンパワーと管理する資産の規模もありますので個人としての対策であればそれぞれ持ち合わせた条件に合う管理方法を取っていただけると良いと思います。