

うーん…

さっきから悩んで居るようじゃが、どうしたんじゃ?

あのね、取引に慣れようとは思ってるんだけど、

ふむふむ

値動きが激しくて怖いんだぁ…

ほう、ではステーブルコインを見てみたらどうじゃ?

すてーぶる、こいん…?

知らなかったか…ステーブルコインとはのう…
暗号資産は、価格変動が激しいことが魅力の一つであるものの、手を出しにくいという側面もあります。
しかし、価格変動が緩やかな暗号資産も存在する事をご存じでしょうか?
本記事ではステーブルコインとはなにか、どのような特徴を持っているか等解説していきます。
ステーブルコインとは?

ビットコインを含む暗号資産自体は、価格の変動が激しいことが知られています。
取引をすることで利益を生み出すという観点では、価格の変動が激しいのはメリットとも言えますが、
純粋に資産を分散してリスクを軽減したいという考えで暗号資産保有する場合、価格変動が激しいのはデメリットとなり得ます。
そのデメリットを解消すべく生まれたのがステーブルコインでした。
ステーブルには「安定」という意味がありますが、
ステーブルコインは文字通り”価格変動が緩やかな安定した通貨”のことを表しています。
また、ステーブルコインは、別名「ペッグ通貨」と呼ばれることもあります。
ペッグは「固定する」という意味があり、「ペッグ通貨」とは”基軸通貨等に価格を連動させることにより、極端な価格変動を防ぐ仕組み”のことを比喩したことが由来です。

なるほど…他のコインとかと違って価格の変動が少ないのが特徴なんだ!

うむ!避難資産としてステーブルコインを保有しておる人もたくさんいるんじゃよ!

そうそう基軸通貨って言ってたけど、それって日本円だったりドルみたいなお金のこと?

実は法定通貨だけを連動させているわけではないんじゃよ

そうなの?!

うむ!大きく3つのタイプに分類されておるんじゃ!

え?パターンがあるのも驚きだけど、そもそもどうやって値段を連動させてるの?

では、詳しく説明していこうかのう!
ステーブルコインのタイプ

価格が比較的安定しているステーブルコインですが、担保が異なる3種類に分類されます。
①法定通貨担保型
②暗号資産担保型
③無担保型
それぞれの特徴について解説します。
【①法定通貨担保型】
法定通貨担保型ステーブルコイン:
「USDT」「 TSUD」「ZEN」「 DCX(金担保 )」「Petro(石油担保)」等
法定通貨担保型のステーブルコインは、その名の通りドルや円といった法定通貨を担保としています。
構造はシンプルであり、主流であるUSDTを例に挙げると簡単に説明が可能です。
USDTは米ドルを基軸通貨としたステーブルコインです。
1ドル預かるごとに1USDTを発行する
1USDTが返却された際1ドルを返還する
このルールに従って発行をするだけで、市場に存在する1USDTは1ドルであると定義することが可能です。
例のようにレートを固定するというルールの元、ステーブルコインの市場価格が基軸通貨として設定している法定通貨の価格と連動することを実現させています。
同様の仕組みで法定通貨だけでなく金や原油等の商品と値動きを連動させているステーブルコインも存在します。
ただし、発行元がルールを遵守し法定通貨と必ずしも価値が連動しているとは限らず、100%信用できるというわけではありません。
この仕組みが確実に遂行されている場合は、コインの発行枚数と担保となる法定通貨の枚数が一致するはずです。
以前別の記事で紹介したテザー砲等のように、「担保として預かっているドルを上回ってUSDTを発行している」疑いが掛けられるケースもあります。
テザー砲についてはこちらの記事で軽く触れているので良ければご確認下さい♪
【②暗号資産担保型】
暗号資産担保型ステーブルコイン:
「DAI(ETH担保)」、「Havven(二重トークン)」など
暗号資産担保型のステーブルコインについても、文字通り特定の暗号資産を担保にしたステーブルコインです。
構造は法定通貨担保型の法定通貨の代わりに暗号資産を利用した仕組みとなっているため、価格安定の原理は法定通貨担保型とほとんど同じです。
法定通貨担保型との大きな違いは、暗号資産の性質を保てることです。
法定通貨担保型と同様、「1コイン分の暗号資産を預かり、1コインを発行する」ことが理想です。
そもそも担保となる暗号資産の交換レートは不安定であるため、ステーブルコインといえども値動きが激しい傾向があります。
【③無担保型】
無担保型ステーブルコイン:
「saga」、「Libra」「Basis(規制環境が厳しいため廃業)」など
法定通貨や暗号資産などの担保を保有せず、通貨の供給量を調整することで法定通貨と同様の値動きを目指すステーブルコインです。
例えば、1コインの価格が1ドルを上回っている(需要が供給よりも大きい)ときには発行元がコインを新たに発行し、供給量を増やして価格を下げます。
逆に1コインの価格が1ドルを下回っている(需要が供給よりも小さい)ときは、その供給を減らすことで価格を上昇させます。
この仕組みの問題点は「そのステーブルコインの市場規模が拡大し続けることを仮定していることが前提」という点が挙げられます。
言い換えると取引量が一定以上必要であり、かつ大半の利用者が「このコインは今後需要が増える」と信じ続けない限り成立しません。
そのため、その信頼が切れた瞬間に価格は暴落する可能性があります。
無担保型ステーブルコインの実現は非常に難しく、時折プロジェクトが発表されているものの実現しているとは言い切れないのが現状です。

どうじゃ?仕組みは理解できたかのう?

うん!完璧!

さすがじゃな!

じゃあ保有はステーブルコインで安心だね!特にデメリットないじゃん♪

いやいや、ちゃんと聞いていたか…?

え?

…種類は理解したようじゃから、次はメリットデメリットじゃな
ステーブルコインのメリット・デメリット

ここでは法定通貨担保型のステーブルコインを例にメリットとデメリットを解説していきます。
【ステーブルコインのメリット】
大前提としてステーブルコイン最大の特徴は”価格が安定している”ことです。
ステーブルコインは、下記のようなメリットがあると言えます。
①資産防衛としての役割
②国境を超えた法定通貨としての代替機能
各項目の詳細を説明します。
①資産防衛としての役割
価格の安定は、資産価値を守ることにつながるという意味でメリットと言えます。
日本を例に出した場合は、取引をしない方にとって価格の変動を日常生活で感じることはほとんどないかと思います。
しかし、別の国の法定通貨と比較した場合、一日での価格変動は暗号資産に比べると緩やかではあるものの激しい値動きが起こっていること自体少なくありません。
保持している資産を分散してリスクに備えようとしている方々が口を揃えて言うことは、外国の法定通貨を保有することが賢い選択であるといいます。
ただし、外国で銀行を作るというのは余りにもハードルが高く誰でも可能なわけではないと思います。
そこでリスクを分散させるためにステーブルコインを保有するということは、実質的にその基軸通貨に設定された法定通貨を保有するということと同義と考えることも可能です。
価格が変動しにくい別の資産に変えることで、自身の資産を守るということに繋がると考えるられるため、資産防衛としての役割を果たしていると言えるのです。
②国境を超えた法定通貨としての代替機能
法定通貨は、国によって当然異なる通貨が利用されています。
そのため、他国の通貨を利用する際には両替が必要になってきます。
しかし、ステーブルコインなら暗号資産と同じように両替の必要性が無く、ボーダーレスで決済手段として利用可能になります。
また、現在の海外送金ではSWIFT決済が一般的ですが、非常に時間がかかります。
最短でも着金までに数日かかることが普通です。
しかし、ステーブルコインのユーザー同士ならはるかに短時間かつ低コストで簡単に送金でき、世界のどこからでも利用が可能です。
また、他の暗号資産と違って価格が安定しているために、価値の毀損(きそん)リスクを緩和することができます。
【ステーブルコインのデメリット】
価格が安定しているステーブルコインにも、もちろんデメリットが存在します。
主に下記の内容がデメリットといわれています。
①法定通貨の裏付けが不明
②税金がかかる
各項目の詳細を説明します。
①法定通貨の裏付けが不明
ドルを価値の裏付けとしているテザーなどは法定通貨の裏付けがあるのかどうか常に疑われる話題が出ています。
「テザー疑惑」と呼ばれている問題です。
テザーは基軸通貨としても使われ、時価総額でも10位以内に入っていますが、もしドルで価値を裏付けられていない場合、バブルのようにお金が膨らんでいただけということになります。
端的に説明するのであれば、1ドル1USDTというルールのもと発行されたのにも関わらず、1USDTの価値が1ドル以下、0.1ドル以下である可能性が捨てきれないということになります。
こうなってしまうと、現在市場に流通している通貨の価値が架空の通貨により捻じ曲げられていたということになり、経済の崩壊を招きかねません。
現にUSDTの発行をしているテザー社は米ドルとの価値が裏付けされている証拠がないとされ、ニューヨーク司法局に提訴されたという事実もあります。
現在和解ということで決着はついているものの、ステーブルコインの発行元は他にもたくさんある為、基軸通貨となる法定通貨と価値が連動されているという裏付けが保障されているとは言い切れません。
②税金がかかる
暗号資産が暴落した時にステーブルコインに替えておけば資産の価値が保たれる点をステーブルコインのメリットとしてあげました。
しかし、日本の税制では暗号資産間の売買も課税の対象となります。
資産の価値は保たれますが、課税対象となる点については十分注意が必要です。

はっ!そっか…裏付けが確定じゃない…

うむ、だからデメリットが全くないわけじゃないんじゃ、安定はしているものの保障されているわけではないからの

値動きが安定してても別に保障されていない、うん、しっくり来た!

まあ税金に関してはデメリットというか義務じゃし

だよね、暗号資産自体当たり前だけど税金掛かるってなっちゃってるしね

よし、ではステーブルコインについてまとめるかのう
ステーブルコインについて解説、まとめ
ステーブルコインとは
・比較的に値動きが緩やか(その他の暗号資産と比べ)
・担保が異なる3種類に分類される
・法定通貨担保型
法定通貨を基軸通貨と設定し、対象の法定通貨と価格を連動させる仕組みを取っている
・暗号資産担保型
暗号資産を基軸通貨と設定し、対象の暗号資産と価格を連動させる仕組みを取っている
・無担保型
基軸通貨はないものの、供給量をコントロールすることで法定通貨同様の値動きを目指す仕組み
・価格が安定している特徴により、資産防衛や法定通貨の代替機能を果たすメリットを有する
・発行の裏付けが不明な為保証された価格ではない
取引で利益を生むことを目的とせず、資産を分散することでリスクを軽減させたいと考えている方には向いていると言われるステーブルコイン。
価格が安定しているという特徴をもっているものの時価総額で上位入りを果たしている通貨も存在します。
本記事を読んで、自分に合った暗号資産選びの選択肢が増えたという方がいれば幸いです。