

ねえねえGG?

はいはい、なんじゃ?

仮想通貨と暗号資産とデジタルコインどれがいい?

は?

ニュースでね、麻生さんが言ってて

あー、急にどうしたのかと思ったわい…呼称についてかの?

そうそう、日本語に翻訳するときに失敗しちゃったとかなんかあるの?

せっかくだから呼称について説明しておくか
なんと暗号資産という呼称が変更される可能性が浮上するニュースが今月25日飛び込んできました。
しかし、まだまだ「仮想通貨」という名称の方が親しまれているように見受けられる暗号資産ですが、なぜ暗号資産となったのか、そもそも暗号資産ってなに、という方は意外と少なくないかもしれません。
本記事では呼称変更の変遷と2021年3月25日に話題となった暗号資産の呼称について解説していきます。
是非こちらの記事もチェックしてみてください。
cryptocurrency→仮想通貨→crypto asset、暗号資産

まずは現在の暗号資産が、なぜ今の名称に落ち着いているのか、またその理由について解説していきます。
【英語ではcrypto asset(クリプトアセット)】
日本では呼称が度々変更されている印象のある暗号資産ですが、現在英語では「クリプトアセット」として名称が固定されています。
crypto(クリプト)=暗号
asset(アセット)=資産
直訳すると暗号資産となるのですが、実は海外でも定義される以前はこのクリプトアセットともう1種類名称が使用されていました。
crypto currency(クリプトカレンシー)
currency(カレンシー)は直訳すると通貨となります。
まだ誕生して浅い暗号資産は、資産なのか通貨なのかという定義がまだなされていないこともあり、外国でもクリプトアセット、またはクリプトカレンシーと呼ばれていました。
通貨から資産になった理由については後述しますが、英語での正式な呼称はcrypto assetです。
【仮想通貨という名称】
英語名称では暗号資産、または暗号通貨という意味の単語が使用されていますが、日本で最初に使用されていたのは仮想通貨という名称でした。
直訳した際に仮想、という意味がないにも関わらずなぜこのような名称が使用されたのでしょうか。
それはFATF(ファトフ)という金融活動作業部会という政府間会合が理由であると言われています。
FATFとはマネーロンダリング、テロ資金への対策を目的としている会合ですが、この会合の法令では「virtual currency(バーチャルカレンシー)」という単語が使用されており、翻訳したことで仮想通貨という名称が使用されるようになったというのが一般的です。
ともあれこの仮想通貨という名称が定着したこと、また仮想通貨界隈が盛り上がり、当たり前のように多くの日本人が注目したことで2017年に「改正資金決済法」という法律が日本で新たに施行されることとなります。
この法律の内容は記事のタイトルから脱線する為省略としますが、法律で定められた際日本で公的に「仮想通貨」という名称が定義されたことを示しています。
【暗号資産の定義】
仮想通貨という名称で定着したものの、暗号資産が正式名称とされたのはつい最近と言えます。
世界の先進国が集うG20で、仮想通貨という呼称を「暗号資産」へ変更するという提案がなされ、その後日本の金融庁が2018年12月14日に変更が決定したと発表しました。
G20での内容を踏まえ、金融庁により「国際的な場において使用されている表現、また法定通貨と誤認されやすい」ということで決定したとコメントがあったようですが、詳しい背景などは発表されていません。
また、「暗号資産」という呼称に変更されたことで「資金決済法」だけでなく「金融商品取引法」の対象にもなりました。
変更された理由については、様々な理由が考えられます。
今回はその中から数種類の理由を抜粋して紹介しておきます。
・仮想通貨という名称は、定義と異なっている
仮想通貨とする場合、電子マネー等と混同されてしまうなどの懸念により変更したというケース
・そもそも通貨ではない
通貨には「価値の尺度」「価値貯蔵」「交換手段」の機能を満たしているという定義が明確に設定されていますが、「価格が安定していない」「データ上に存在する為ハッキングの可能性が比較的高い」「決済の手段としていまだ確立しているとは言えない」等反する定義であり通貨という名称は適していない為「通貨という単語を使用すべきではない」というケース
・危険なイメージを抱く
実態がない通貨と聞くと詐欺のようなマイナスのイメージとして捉えられかねない為変更したというケース
このような理由から仮想通貨→”暗号資産”へと名称の変更がなされたと考えられています。
「日本仮想通貨交換業協会」が「日本暗号資産取引業協会」に変更され、関わる法律も増えた暗号資産ですが、元祖ということもありまだまだ「仮想通貨」という単語の方が浸透して
いるのが現状です。

とりあえず、偉い人達が決めったってことで間違ってない?

確かにそれは間違ってないなぁ…

でも仮想通貨っていっぱい検索にヒットするのは…?

「物の名称は国が決めるんじゃない、利用者が決めて広がるんだ!」ということを言った人もおったなぁ

なるほどね、だから浸透してる方が優先されてるのもまた事実、と…

そうじゃ、で、麻生さんが言ってたんだってな、ニュースになってるデジタルコイン

そうそう、GGはどれがいい?

wwwでは今回ニュースになってる理由を説明しておくかのう
財政金融委員会での質疑

今回ニュースになったのは財政金融委員会での麻生太郎大臣の答弁がきっかけでした。
そもそもこの質疑の内容は昨年の委員会で「暗号資産という名称がよくない」といったことが発端です。
どのような流れでその質疑が行われたのかも含め、解説していきます。
【推奨したいと本当に思っているのであれば】
2020年6月2日、財政金融委員会の質疑において、日本維新の会音喜多駿議員が麻生太郎大臣に対して暗号資産行政について質疑を行いました。
この日本維新の会音喜多駿議員はかねてから暗号資産に対する分離課税導入等の財政改革を訴えており、この財政金融委員会で麻生太郎大臣に質疑応答を投げかけたことが事の発端です。
改めて分離課税導入などについての答弁を求めていたものの、麻生太郎大臣の答弁は税制よりも名称変更や普及の必要性に重きをおいていたようでした。
「暗号というと名前が怪しい」
「ステーブルコイン、みたいな信頼できそうな日本語を使用したほうがいい」
「推進したいとあなた(音喜多議員)が本当に思っているのだったら、ステーブルコインていう名前の方がよっぽどステーブルに聞こえない?」こちらは原文のままです
さらに税制についても、否定的な姿勢を示していたように取れる発言もありました。
当時の財政金融委員会で麻生大臣が説明したのは、日本の金融資産の数値と推定預金額についてでした。
金融資産の内半分以上預金額が占めているのは異常であるということ、これは投資をさらに一般化することを目的とするような発言と捉える事が可能な内容です。
その為さらに普及をするまでに税制を改革すること自体が悪手であると説明したいように聞こえる答弁であったように感じます。
是非こちらの記事もチェックしてみてください。
【デジタルコインとして生まれ変わる?】
2021年3月25日、改めて財政金融委員会で暗号資産についての言及がなされました。
ウェブニュースになっているのはこの時の麻生太郎大臣の答弁内容です。
以前の財政金融委員会で、税制について否定的なコメントをされていた日本維新の会の音喜多駿議員は新たな資料を準備して会に臨んでいます。
その準備とはCoin Postも参加した「ブロックチェーン用語を日本語にしてみる」というオンラインイベントにおいて暗号資産の新名称を募った結果を提出するというもので、資料を提出した上で麻生太郎大臣に見解を求めたのです。
オンラインイベントで多くの投票数を集めたのは”デジタルコイン”という名称でした。
この結果を受け、麻生太郎大臣は「名称はコンテストで決めるものではない、法令で定めること」、との前置きの後下記のような答弁を残しています。
「CBDC(中央銀行デジタル通貨)と誤解を招かないようにする必要がある」
「暗号資産よりは”デジタルアセット”や”デジタルコイン”の方がいい気がする」
一部とはいえ肯定的な意見が出たことは日本維新の会の音喜多駿議員、また暗号資産の取扱についての進展と言えるニュースであったことから、注目が集まっていたようです。
日本維新の会の音喜多駿議員は上記のTwitterを投稿しており、その喜びと供に今後も継続的に過度な税制と規制に対し改革への姿勢を示しています。

へー

なんじゃ、あんまり興味なさそうじゃな

だって、法令で決まっても皆仮想通貨っていうし

ふむ

別に何も変わらないのになーって思って

いや、音喜多議員の話ではな?

うん

過度な規制と税制を改革したい、と言ってるんじゃよ?

あ

名称の変更は、第一歩、それからいい方向に進んでほしいという期待が込められてるんじゃ

だから、話題になるんだ!納得したよ!

ならば、今回の内容を復習するぞい
暗号資産と財政金融委員会、まとめ
暗号資産という名称は、
・G20での会議内容により世界で統一されることとなった
・英語ではcryptocurrency→crypto asset
・それまではFATFの資料を翻訳した、仮想通貨という名称が公的に使用されていた
財政金融委員会により
・税制や規制の改革を訴える内容が過去にあった
・名称がネックとなっており、普及を優先させるべきという答弁があった
・名称について有識者により投票を行い、もっとも得票数を獲得した”デジタルコイン”という名称を提案した
・コンテストで決めるものではないとの前置きがありつつも、”暗号資産よりはいい”という麻生太郎大臣からの答弁があった
いかがでしたでしょうか?記事内にもあるように、名称は大事ではないかもしれませんが、
過度な規制と税制の緩和の第一歩ともいえるポジティブニュースでした。
名称変更に伴い規制が緩和され、暗号資産への投資に対し敷居が低くなることでより自由な取引が可能になる将来を期待しましょう。